- 「高校卒業後の進路はとりあえず大学に行くべき」
- 「短大は行く意味がない」
- 「専門学校は短大より行く意味がない」
といった情報を見たことがある高校生の方もいるのではないでしょうか。
特定の専門職を目指したい、その資格だけで生きていく、という強い意志はないから、
専門学校に行って合わなかったときが心配・・・という方は、
大学か短大を進路の選択肢に考えると思います。
今回は大学と短大、進路として選ぶならどっちがいいのか、
それぞれのメリット・デメリットをご紹介しながら解説していきます。
まずは結論

結論として大学と短大、どっちに進目的や用途に合わせて選ぶべきです。
- 美容師になりたいのに大学へ行く
- 研究職を目指したいのに短大に行く
進学・進路は将来の就職のための手段にすぎません。
それなのに上記のような目的があるのに直接的に関係する学校に進学しても意味がないとは思いませんか?
- 大学のほうが選択肢が広がる
- 短大は進学しても意味がない
これらはすべて学歴コンプレックスからくるイメージ先行で言われることがほとんど。
短大を知らない、通っていない人が短大に行く意味がない言っても説得力がありません。
もし、実際に短大に行ったあとにもっと時間がほしい、勉強がしたいのであれば大学に編入学してさらに2年間学生生活を過ごしてもいいですし、そのまま就職してもいいです。
直接大学に行くとの短大に行ってから大学に行くのとでは、2年で一回区切りができ選択肢が増えるという違いがあるのです。
あなたが将来やりたいこと、目指したいことの手段に短大がマッチするのであれば、
短大への進学・進路を選択することにそもそも正解も不正解もないのです。
短大の特徴
短大は大学と比べて2年で卒業できる、学費が安い、専門科目が職業にひもづいている、といった特徴があります。
学生の多くが短大所在地の県内出身ですが、近隣の都道府県や遠方からも入学する高校生もいます。
短大は地元就職に強く、地元企業や役所とつながりがあることが多いです。
毎年就職する人がいることから企業や役所の採用意欲が高いのも特徴です。
短大のメリット・デメリット

- 大学と専門学校の良いところを持っている
- 卒業までにかかる学費が大学よりも安い
- 専門科目が職業にひもづいていて実務的な授業が多い
- 学生数が少ないので学校からのサポートが手厚い
短大は学生数が少なく何事においても主体的に行動することができます。
大学は人数が多く学生に埋もれてしまいがち・・・という声も聴きますが、
短大では埋もれることなく自分が主体となれ、自分がやりたい!と思えばできる環境があります。
また、大学で学べる教養科目、専門学校で学べる専門科目の両方を学べる環境があるので、
将来の選択肢を広く持ちたい、という方におすすめの進学先になります。
- 授業カリキュラムが学問として知識を深めるのには向いてない
- 学生の期間が2年間のため大学よりも忙しい
- 就職活動が始まるのが早くキャンパスライフが短い
短大のデメリットとしては学生の期間が2年間と短いことで大学よりもスケジュールが忙しい点があります。
一方で4年間も学校に通いたくない、学費を4年間払い続けるのは経済的に難しい、という方は2年で就職できるというメリットもあります。
短大に進学したほうが良い人の特徴
- 家庭の事情で経済的に裕福ではない
- けど進学はあきらめたくない
- 将来の職業に関係ない勉強はしたくない
- 学生数の多い大学に行って埋もれたくない
- 何事も自分が主体となって動きたい
早くから社会に出て働きたい、無駄に時間を過ごすような学生生活を送りたくない人に短大はおすすめです。
大学の特徴
大学は多くの学生が学問としての勉強を行い、就職よりかは教養や知見を広める授業が多いです。
全国各地から入学するので学生数が多いのも特徴です。
就職活動の際は自分で企業を見て自分で選考を受けることがほとんどで、
学校側のサポートも就職よりかは勉強についてのサポートのほうが手厚くなっています。
理系の研究室だと企業を紹介してくれることもありますが、基本的には全国の大学生が同じタイミングで一斉に選考を受けるので、繋がりからの紹介や採用意欲が高いといったことは基本的にあまりありません。
大学のメリット・デメリット

- 履修できる授業の幅が広い
- 学問として知識を深められる授業が多い
- 学生生活が4年間あるので自由度が高く時間もある
- 研究職へ進むことも目指せる
大学は学生生活が4年間あるのがメリット。
学問として勉強できる幅も広く、仕事に役立つ知識というよりは知識が増える学問的な勉強がしたいという方におすすめです。
ただしこの学生生活の時間をどう使うかは自分が主体的になって動く必要があるため、動けないかたはダラダラと時間だけが過ぎていくだけになってしまうデメリットも存在します。
- 学問としての授業が多く仕事に直接役立つ実務的な授業は少ない
- 学生数が多いので埋もれてしまい何者にもなれない可能性が高い
- 学生数の多さから大学のサポートが手薄、すべて自分で動く必要がある
大学の授業内容は知識が増える学問的な面が強いため、必ずしも就職したあとに実務として役立つ勉強ができるとは限りません。
就職後、仕事で活用できる実務的なスキルが身につく授業を受けたいのであれば大学は向いていないでしょう。
また、学生数の多さからみなさん個人が埋もれてしまいやすく、埋もれないためには主体性を持って自主的に動く必要があります。
自由は何をするにも自由という反面、決められない人にとっては何もできず、ただ時間だけが過ぎ去っていってしまう可能性もあります。
そのため、自分で決めて動くのが苦手、学校からある程度レールをひいてもらったり、サポートしてほしいという方は、進学先に大学に行くメリットを感じられない可能性があります。
大学に進学したほうがいい人
時間の多さをつかって自分で物事を進められる方や、学問を突き詰めていって研究職を目指したいなど、すぐに就職を意識していない人は大学への進学がおすすめです。
ただ、自分で計画を立てたり、自主的に動くことができない人が大学に行くと、
- アルバイトや遊びだけで大学生活が終わってしまう
- 就職や就職後の将来が定まらないまま卒業してしまう
- むしろ卒業できない
といった学生生活を過ごすことになる可能性もあります。
短大には進学しないほうがいい?
「短大には進学しないほうがいい」とネットに書かれていることが多いですが、
それは多くの場合日本の学歴コンプレックスからくるもので、
実際短大に進学したほうが有利な場合も多数あります。
短大卒で業界のトッププロとして活躍している人もいれば、
大学卒よりも昇進して会社で重要なポジションについている人もいますし、
同い年でも大学卒の同級生の3倍のお給料をもらっている短大卒の社会人も実際います。
大学卒か短大卒かは就職活動のときに採用区分が異なるだけで、
就職後に活躍できる人は学歴に活躍できて昇進してきます。
一方で活躍できない人は大学卒でも短大卒でも活躍できないままです。
つまり学歴は1つの過程でしかなく、学歴があるから実務能力やスキルに直結するとも限らず、
結果を出せるかは社会人になってからの本人の努力次第ともいえます。
学歴があっても実務・実技スキルがなければ評価されない職場は多く、
逆に学歴だけで出世できる会社は転職のつぶしがききません。
大学に行ったほうが長い学生生活の中で選択肢が広がる、という風にも言われますが、
逆に選択肢が多すぎてどれも選べない、決めきれないとも言えます。
一方で大学を卒業しないと慣れない職種がある、大学を卒業しないと受験できない資格があることも事実です。
これらのために進学したいのであれば大学でもいいですが、漠然と就職して稼げるようになりたい、けどどんな職種に就きたいかは決まってないということであれば、ベースとなる実務スキルを身に着けて就職後の活躍につなげる、という進路の選択をするのもアリだと思います。
大学は高校のように何もやっていないからと言ってくれる先生はいません。
すべて自己責任で、仕事に活用できる勉強は短大よりも少ないです。
卒業後は就職を考えているのであれば大学よりも短大のほうが就職という結果にもつながりやすいですよ。
最初にも書きましたが、進学・進路は「手段」なので目的に合わせて学校を選ぶのがおすすめです。
あなたが将来やりたいこと、目指したいことの手段に短大がマッチするのであれば、
短大を進学・進路として選択することに正解も不正解もないですよ。